写真つきの報告書、アプリで作れますか?
現場で写真を撮って、事務所に戻って、書類に貼り付けて、大きさを揃えて、送る。この流れを短くしたくて「写真 報告 アプリ」と調べる方は多いと思います。私は別荘や退去の清掃で、いまも現場に立って写真を撮り、報告する側にいます。だから言えるのですが、時間を食っているのは撮影ではありません。ここでは、実際にどこが減るのか、そして減らないところはどこかを書きます。
写真つきの報告書は、アプリで作れますか?
結論、作れます。ただし楽になるのは、撮るところではありません。
理由は、撮影がもともと一瞬だからです。スマホを出して2秒です。実際に時間が消えているのは、そのあとです。戻ってから写真を選ぶ、大きさを縮める、書類に1枚ずつ貼る、位置を揃える、ファイル名を直す。この作業が、1件あたり20分から30分かかります。1日に3現場回れば、それだけで1時間以上です。
具体的には、写真つきの報告書アプリが消すのはこの2回目の作業です。撮った瞬間に、その写真は報告書の中の決まった場所に入っています。だから効果は「写真がきれいになる」ではなく、「事務所に戻ってからの30分が消える」という形で出ます。導入の前後を比べるときは、写真の枚数ではなく戻ってからの時間を測ってください。ここを測っていないと、変わったのかどうかが分かりません。
無料のアプリで、どこまでできますか?
結論、試すところまでは無料でできることが多いです。上限に当たるのは、機能ではなく容量です。
理由は、写真が文字にくらべて圧倒的に重いからです。文章の報告書なら何百件書いても平気ですが、写真は1枚で文章数千件ぶんの重さになります。だから無料の範囲では、1件あたりの枚数か、全体の保存容量のどちらかに上限があるのが普通です。文字数ではなく、容量で先に頭を打ちます。
具体的には、試す前に数を出しておいてください。1現場で10枚、月に20日動くなら、月200枚。1年で2,400枚です。この数字を持ってから上限の条件を読むと、続けられるかどうかが最初の5分で分かります。いちばん困る止まり方は、3ヶ月使って記録が溜まったころに容量が尽きることです。そのころには手が慣れていて、もう紙には戻れません。無料版の選び方は日報アプリの無料版の記事にも書きましたが、見るところは同じで、機能の数ではありません。
現場で撮った写真が、そのまま報告書になりますか?
結論、なります。条件はひとつだけで、撮る前に「どの項目の写真か」が決まっていることです。
理由は、あとから振り分ける作業が、消したはずの2回目の作業とまったく同じものだからです。とりあえず30枚撮って、帰ってから「これは全体、これは気になった所」と分けていくと、貼り付けをやめただけで、時間はそのまま戻ってきます。順番を先に決めるか、あとで決めるか。効くのはここです。
具体的には、こう組みます。報告書の項目を、そのままアプリの入力欄の名前にします。「全体」「気になった所」「手を入れた所」。現場では、その欄に沿って上から順に撮っていきます。撮る順番が、報告書の順番そのものになります。こうすると、現場を出る時点で報告書は完成しています。整理という作業が、工程から消えます。
写真は、何枚あればいいですか?
結論、3枚で足りることが多いです。全体が分かる1枚、気になったところの1枚、手を入れたところの1枚。
理由は、受け取る側が全部を見ないからです。枚数が多いほど丁寧に見えますが、実際にはどれが大事な1枚なのかが分からなくなります。15枚並んだ報告書と、3枚の報告書。読む側にとって情報量が多いのは、たいてい後者です。以前、月に1度出していたA4・4ページの報告書が1年間ほとんど開かれていなかったことに気づいて、数え直した話を書きました。あのときに減らして分かったのも、同じことでした。
具体的には、例外もあります。あとで責任の所在が問われうる場面——引き渡し前の状態、もともとあった傷や破損の記録——ここは枚数を惜しまないでください。判断の基準は「丁寧かどうか」ではなく、「あとで誰が、何を確かめたくなるか」です。この問いで分けると、3枚でいい場面と、20枚残す場面がはっきり分かれます。
AIに写真を読ませて、文章を書かせられますか?
結論、書かせられます。ただし任せる範囲は「事実の書き起こし」までにしたほうがいい、というのが私の考えです。
理由は、報告書の値打ちが2つに分かれているからです。ひとつは事実——写っているものを言葉にする、複数枚を時系列に並べる、日付や場所を揃える。ここは機械が正確で速いです。もうひとつは所見——どこを問題と見たか、次はどうしたほうがいいか。ここは、受け取る側にとって「その人に頼んでいる意味」そのものです。
具体的には、私は一度、報告書の文章をまるごとAIに書かせるのをやめました。文章は整っていたのに、「あなたから来た」という感じが無くなったからです。そのときのことは別に書きました。いまは、事実の部分は機械に任せて、所見だけ2〜3行、自分の言葉で書いています。短くなったのに、関係はむしろ近くなりました。整った文章より、短い一言のほうが読まれます。
まとめ
写真つきの報告書をアプリにして減るのは、撮る時間ではなく戻ってからの時間です。そして、その効果を出しきるには、撮る前に項目を決めておくことが要ります。あとで振り分けるなら、作業は形を変えて残るだけです。
選ぶときに見るのは、機能の一覧ではなく1ヶ月に撮る枚数。残す枚数は基本3枚、責任が問われうる場面だけ例外。AIに任せるのは事実までで、所見は自分の言葉で。
私は道具を売っていません。いまも現場で写真を撮っている側なので、「それはアプリにしなくていいです」と言えます。実際、1人で完結していて、報告先も1件だけなら、いまのやり方のままで十分なことが多いです。
いま出している報告書を1枚見せていただければ、どこが消せてどこが残るのかを、いっしょに見るところから始められます。何を変えたいかが決まっていなくても大丈夫です。
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