ととのえる屋という名前にした理由
「ととのえる屋」という名前は、独立を決めてから1ヶ月くらい、ぼんやり考え続けてようやく出てきたものでした。今日はその裏話を、すこし。
「屋」をつけたかった
最初から決めていたのは、「◯◯屋」という形にしたい、ということでした。
東京で生まれて、工業高校に行って、生命保険の会社で働いて、居酒屋を経営して、軽井沢に来て、清掃の現場に立って。ひととおり、いろんな仕事を見てきました。
そのなかで、いちばん憧れていたのは、街にひっそりとある「◯◯屋さん」だったんです。パン屋、本屋、八百屋、お茶屋。
派手じゃない。でも、長く続いている。お客さんと、ちゃんと顔と顔で付き合っている。
そういう仕事が、自分はずっと好きだったんですよね。
整えたいことが、多すぎた
問題は、その「屋」の前に何を置くかでした。
「AI屋」「コンサル屋」「LP屋」「業務改善屋」。いろいろ候補はあったんですけど、どれもしっくり来なくて。
なぜかというと、自分がやりたい仕事は、AIにもLPにも業務改善にも、ぜんぶまたがっていたからなんです。
清掃の現場で気づいたこと、居酒屋で学んだこと、軽井沢で出会った人たち、機械の手と毎日話して見えてきたこと。これを全部つなぐ言葉が、必要だった。
散歩しながら、出てきた言葉
ある日、小諸の懐古園のあたりを歩いていて、ふと「ととのえる」という言葉が降りてきました。
整える、じゃなくて、ひらがなの「ととのえる」。
なんでかというと、漢字の「整える」だと、ちょっと固いんですよね。正しくする、ちゃんとする、みたいな感じが強くて。
でも、わたしがやりたかったのは、もう少しやわらかいことでした。すでにあるものを大事に、その人らしい順番に並べ直す。お客さんが本来持っていたものを、見えるところに引き上げる。
そういう仕事は、たぶんひらがなのほうが似合うな、と思いました。
ととのえるとは、足すことじゃなく、すでにあるものから余計を見つけて落とすことです。
お客さんを「整える」んじゃない
ひとつだけ、強くこだわっていることがあります。
「ととのえる屋」は、お客さんを整える仕事じゃないんです。
整えるのは、いつもお客さん自身。わたしは、その人がもう一度自分でととのえられるように、横にいるだけ。
だから、答えを押し付けることはしないし、流行りの何かを勧めることもしません。その人の中にすでにある「整ったかたち」を、いっしょに見つける係。
1993年生まれの、小さな決意
1993年に東京で生まれて、なんやかんやで33歳で長野県小諸市にいる。
その自分が、機械の手と毎日話しながら、地元の人たちと一緒に仕事をするときに、何を屋号として掲げるか。
考え抜いた末に残ったのが、「ととのえる屋」でした。
長く続けたい、というのが、いちばんの願いです。派手じゃなくていい。1軒ずつ、ちゃんと整えて、ちゃんとお礼を言われて、また次に呼んでもらえる。
それだけで、屋号は十分に育っていきます。
大きくしたいわけじゃない。長くしたいだけ。
ととのえる屋という名前には、その2文字の差が、ぜんぶ入っています。
こういう話を、もう少し腰を据えてしたいときは、
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「何を整えたいんだろう」を、一緒に並べ直すところから。