AppSheetの使い方、初心者は何から始めればいいですか?
AppSheet の使い方を調べると、出てくるのは英語の画面ばかり。日本語の解説を探しても、エンジニア向けの言葉で書かれていて、最初の一歩で止まってしまう——そういう方に向けて書きます。私はプログラミングの学校を出ていません。それでも現場で使う業務アプリを組んで、実際に人に使ってもらっています。だから、書ける人には見えないつまずきの場所を知っています。何ができて、どこで詰まって、どう越えるかを、順番に書きます。
AppSheetの使い方、初心者は何から始めればいいですか?
結論、新しく何かを作るのではなく、いま使っているスプレッドシートを1枚選ぶところからです。
理由は、AppSheet が「表を画面にする」道具だからです。ゼロから設計する道具ではありません。すでにある表——日報でも、点検の記録でも、在庫の一覧でもいい——を読み込ませると、その表を見たり書き足したりするための画面を、自動で組み立ててくれます。だから、出発点は白紙ではなく、いま実際に使っている表です。
具体的には、最初にやることは操作の勉強ではなく、表の掃除です。1行が1件になっているか。1つのセルに「8/4 山田 2名 追加あり」のように複数の情報を詰め込んでいないか。この2つを直すだけで、あとの作業がまるで変わります。逆にここを飛ばすと、どれだけ操作を覚えても、できあがったアプリが使いにくくなります。表がきれいなほど、アプリはきれいになります。
プログラミングができなくても、業務アプリは作れますか?
結論、作れます。ただし「何も学ばずに作れる」わけではありません。
理由は、書くものがコードから式に変わるだけだからです。AppSheet で書くのは、表計算ソフトの関数に近い形の式です。「この条件のときだけ表示する」「この人にだけ編集させる」といった指示を、短い式で書きます。プログラミングのように、動く順番を最初から最後まで組み立てる必要はありません。覚える量は確かに減ります。ただ、考える量は減りません。
具体的には、詰まる場所は文法ではなく設計です。「日報を1件ずつ記録する」と決めたはずが、途中で「現場ごとにまとめて見たい」となり、表の形が合わなくなる。ここは書ける人でも詰まるところで、プログラミングができるかどうかとは関係がありません。だから、プログラミングを書けないことは、思っているほど不利ではありません。不利になるのは、自分の仕事の流れを言葉にできていないときです。
作る画面は、日本語になりますか?
結論、作る側の画面は英語のままです。これが初心者の最初の壁で、正直に言っておくべきところだと思っています。
理由は、AppSheet の作る画面(エディタ)が英語だけで提供されているからです。設定の名前も、式の書き方も英語です。日本語の解説を探しても、画面の項目名は英語で出てくるので、記事と自分の画面が一致しない。「appsheet 使い方 日本語」と検索する人が多いのは、ここで止まっているからです。
具体的には、こう考えると越えられます。「作る人は英語を見る、使う人は日本語を見る」。できあがったアプリのほうは、表示名の設定(Localization)で日本語にできます。だから現場に配るアプリは日本語で問題ありません。英語なのは、自分が触っている間だけです。最初の数時間は、用語をひとつずつ調べる時間だと思っておいてください。10個か20個の言葉を覚えれば、あとは同じ言葉のくり返しです。
※ 作る画面を日本語で表示するための外部の拡張機能もありますが、公式のものではないので、業務で使う前に会社の決まりを確認してください。
スマホでも使えますか?
結論、使えます。というより、スマホで使うことを前提にした道具です。
理由は、AppSheet が想定しているのが現場だからです。現場で写真を撮ってそのまま報告する、外出先から在庫を確かめる、その場で数字を入れる。パソコンの前に戻らないと記録できない、という状態を消すための道具です。だから、紙に書いて後でパソコンに打ち直している仕事とは相性がいいです。
具体的には、作る作業のほうはパソコンでやるほうが確実です。スマホは「できあがったものを、現場で使う側」と考えてください。この分け方をしておくと、「スマホで作れないじゃないか」という詰まり方をしなくて済みます。
スプレッドシートをアプリにする、というのはどういうことですか?
結論、表の1行が、アプリでは1件の記録になるということです。
理由は、AppSheet が表をそのまま裏側のデータとして使うからです。列は入力欄になります。日付の列は日付を選ぶ欄に、写真の列は写真を撮る欄に、担当者の列は名前を選ぶ欄に。つまり、表の形がそのままアプリの形になります。新しくデータを作り直す必要はありません。
具体的には、いま使っている表がそのまま使えるかどうかは、1つの問いで分かります。「この表の1行を、口で説明できますか?」——「1行が、1回の点検です」と言えるなら、そのまま進めます。「うーん、上のほうは集計で、下は明細で…」となるなら、先に表を分けたほうがいいです。ここは請求書の自動作成やシフトを組む仕事でも、まったく同じ形で出てきます。道具の前に、表の形です。
本やYouTubeだけで身につきますか?
結論、基本の操作は身につきます。でも、そこで作れるのは見本のアプリです。
理由は、教材が「誰にでも当てはまる例」で作られているからです。在庫管理、来客記録、といった見本は、きれいに整った表から始まります。ところが自分の現場の表は、そんなにきれいではありません。列が足りなかったり、例外があったり、担当者ごとに書き方が違ったりします。その差を埋める部分が、いちばん時間のかかるところで、そこは教材に書かれていません。
具体的には、こう進めるのがおすすめです。教材で一度、見本どおりに作る。そのあとすぐ、自分の現場の小さな1つを作り直す。日報だけ、点検だけ、鍵の受け渡しだけ。小さいほどいいです。そこでうまくいかない場所が、そのまま自分が学ぶべき場所になります。うまくいかないことは失敗ではなく、地図です。
まとめ
AppSheet は、書けない人が業務アプリを作れる道具です。ただし、覚えることが減るぶん、「自分の仕事をどう表の形にするか」を考える部分は、そのまま残ります。そしてそこは、道具の使い方を教える記事には書かれていません。
作る画面が英語なのも、教材が見本で止まるのも、越えられます。私も書ける人ではないところから始めて、いまは現場で使われるアプリを組んでいます。だから「これは自分にもできるかもしれない」の側から説明できます。
途中で止まってしまった、どこから手をつければいいか分からない、という段階からで大丈夫です。いま使っているスプレッドシートを1枚見せていただければ、それがアプリにできる形かどうかを、いっしょに見るところから始められます。
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